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加齢や近視に伴う“生理的”飛蚊症は今、「経過観察」から「患者様に適した治療」への過渡期を迎えています。加齢や近視に伴う“生理的”飛蚊症は今、「経過観察」から「患者様に適した治療」への過渡期を迎えています。

*生理的飛蚊症とは、加齢や近視、生まれつきの特性など、病気以外が原因で起こる飛蚊症のことで、目の病気が原因で起こる飛蚊症は網膜剥離を引き起こすこともあり、適切な治療が必要です。

飛蚊症に対する思い

飛蚊症は一般の方でも見聞きすることがある眼科の症状の中で知名度の高い症状の一つです。病気から生じる飛蚊症は眼科医にとって治療の対象になりますが、加齢や近視に伴う生理的飛蚊症は病気ではないため治療対象にはならず、経過観察をすることしか選択肢としてありませんでした。
私も勤務医の時代は「病気ではないので心配しないで様子を見るように」と説明をしていました。しかし、眼科医院を開業して長期間患者さんと接するようになり、飛蚊症が存在する事による日常生活での様々な障害を患者さんから多数お聞きし、飛蚊症への対処の必要性を感じるようになりました。
現在、海外においては強い飛蚊症は見る機能を障害する一つの疾患として捉えられており、治療対象として認識されてきていますが、日本においてはまだ治療対象としての考え方は一般的ではありません。

これまでの経験から思うことですが、飛蚊症で困っている患者さんの訴えと、眼科医の飛蚊症に対するスタンスには大きな差があり、この両者の間に存在する壁はとても高いものになっています。その壁の高さから対処法の答えが出せずに困っておられる患者さんは、多数存在しているものと思われます。 私も患者さんが困っていないのであれば、生理的飛蚊症は経過観察が良いと考えますが、日常生活に支障を感じている場合は治療の相談に乗らせていただいております。

現在の治療方法としては2通りあり、比較的若い方にはレーザーを用いての治療を、ある程度年齢が上の方で、飛蚊症の原因となる硝子体の濁りが強い場合には硝子体手術での治療をお勧めしております。
これまで眼科医が飛蚊症の治療に積極的でなかったことには、当然理由があります。レーザーについては機器自体が存在していなかったことが単純な理由ですが、手術に関しては硝子体手術が難易度の高い術式であることが大きな理由でした。私が若い頃の硝子体手術は、放置すると失明や強い視力低下を生じる病気に対して行う最終的な手術という位置付けでしたが、その後の日進月歩により機器や手技が進歩してきた結果、飛蚊症の治療にもやっと適用できるようになってきたというのが現在になります。
しかし、硝子体手術は現在においても難易度が高く、手術合併症が生じた場合は視力障害を来たす可能性もあるため、飛蚊症手術の適応判断は慎重に行う必要があります。また、手術を行う術者は相当数の硝子体手術の経験を積んだ者でないと、手を出すことができないとも考えています。

高畠西眼科では積極的ではないものの、飛蚊症に困っている患者さんに対して最適な治療の提案をさせていただきますのでよろしくお願いします。

高畠西眼科 院長高畠 隆

飛蚊症治療の現状

多くの眼科での対応状況

一般的な眼科での飛蚊症への対応一般的な眼科での飛蚊症への対応

※上の図は、日本における一般的な眼科での対応状況を簡略的に示したイメージ図です。

ほとんどの生理的飛蚊症が「経過観察」とされ、生活にトラブルを抱えた方のお悩みが、解決されないまま放置されています。

当院での対応

当院の飛蚊症への対応/経過観察のみならず、レーザー治療、硝子体手術にも対応当院の飛蚊症への対応/経過観察のみならず、レーザー治療、硝子体手術にも対応

※治療・手術に関してはリスクについてもしっかりと説明し、ご納得いただいた上で行います。

当院ではあらゆる選択肢の中から、個々の患者様に適した解決方法を提案させていただきます。(セカンドオピニオン外来も受け付けております。)

当院の飛蚊症治療に関する実績

直近の受賞歴

令和5年6月22日より札幌で開催された「第38回JSCRS(日本白内障屈折矯正手術学会)学術総会」において、当院院長が「Best of JSCRS」を受賞いたしました。

今回受賞の対象となった演題「後部硝子体剥離が回折型2焦点眼内レンズの術後視力へ与える影響」では、当院で特に力を入れている白内障手術の中で、院長が数多く執刀している多焦点眼内レンズの手術成績を解析し、飛蚊症の主な原因である「後部硝子体剥離」が術後視力へ影響を与えることを明らかにしました。

生理的飛蚊症は一般的には病気として捉えられないため、実際に苦しんでいる方の中には多大な不利益を被っている方もいらっしゃいます。当院では、お一人お一人の問題解決に寄り添っていけるよう、努めてまいります。

「Best of JSCRS」受賞盾

38th JSCRS 座長賞「Best of JSCRS」受賞盾

世界中にこのような悩みを抱えた方がたくさんいらっしゃいます。(動画)

本編は英語ですが、字幕をONにして設定で日本語をお選びいただくと、日本語の字幕付きでご覧になれます。

飛蚊症の症状が突然現れ、そのまま日常生活を続ける中、生活に支障をきたす場面が増えるようになった方のケースを紹介しています。(米国を中心に、世界的に飛蚊症治療に関する啓発をすすめている団体と医師のサイトより/SOURCE:www.vdmresearch.org